すずめの戸締まり椅子の謎|足が欠けた時期、現在⇔過去どう動いている?

※本ページはプロモーションが含まれています。

大ヒットしている「すずめの戸締まり」ですが、語られている内容がとても深く、かつスピーディーに展開していくため、1回鑑賞しただけじゃ謎が疑問が多く生まれますよね。

その中でも「鈴芽(すずめ)の黄色い椅子」についての疑問が、SNSに多く投稿されていました。

  • 鈴芽(すずめ)の椅子の足はいつ欠けたの?
  • 幼い鈴芽と高校生の鈴芽の間で、椅子はどう動いていたのか?

上記の疑問について解説していきます!

目次

鈴芽(すずめ)の椅子の足はいつ欠けたの?

鈴芽(すずめ)の黄色い椅子は、母親が作ってくれた「お母さんの形見」です。

手先が器用で料理や工作が得意な母が、鈴芽(すずめ)の4歳の誕生日のプレゼントに手作りしてくれた椅子でした。

「ぜーったい、ずっと、いっしょうだいじにするからね!」
「一生!?それはお母さん、作った甲斐があったわ」

小説 すずめの戸締まり 

母娘で過ごした幸せな時間の象徴のような黄色い椅子は、2011年3月11日に起こった地震による津波で流されてしまったのでした。

椅子の足は、その時に1本欠けたと考えられます。

愛媛で1晩泊めてくれた千果と別れてバス停で雨宿りをしている際に、草太から「なぜ足が三本しかないの?」と椅子のことを聞かれた際に、鈴芽(すずめ)は、

  • 小さい頃のことだからあまり覚えていない
  • まだ保育園くらいの時にこの椅子を失くしたことがあった
  • あちこち探して、見つけたときには足が一本欠けていた

と説明しています。

母を失った悲しみを抑え込むように、母と過ごした幸せな時間にも蓋をして12年間生きてきた鈴芽(すずめ)には、黄色い椅子は「お母さんの形見」であるという以外は、おぼろげにしか思い出せない状態でした。

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幼い鈴芽と高校生の鈴芽の間で、椅子はどう動いていたのか?

もう一つの疑問は「幼い鈴芽と高校生の鈴芽の間で、椅子はどう動いていたのか?

言い換えると、

「4歳の鈴芽(すずめ)が見つけた椅子はどこから出てきたもので、17歳の鈴芽(すずめ)が持っていた椅子はどこに行ったのか」

「17歳の鈴芽が持っていた椅子を4歳の鈴芽に渡したら、同じ椅子がずっとループしてどんどん椅子が古くなってっちゃうんじゃない?」

という疑問が生じている方が多くいました。

映画で見ていると分かりにくいですが、小説版を読むとその謎に対する答えがハッキリと書かれています。

椅子は津波で流されて常世に流れ着いていた

鈴芽の故郷の後ろ戸から「常世」に入り、ダイジン・サダイジンを要石にしてミミズを封印した鈴芽と草太。

「現世」から「常世」に流れ着いた瓦礫の中に、鈴芽は黄色い椅子を見つけます。

既に足は3本に欠けていて、鈴芽の知っている「お母さんの形見の椅子」なのですが、手に取った際に鈴芽は違和感を覚えます。

新しいのだ―少しだけ考えて、私はそう気づく。
座面の欠けたその傷口も、鮮やかな黄色いペンキも、記憶にある椅子よりもずっと新しかった。

~中略~

「あの日津波に流されたこの椅子を―」
「私はここで拾ったんだ・・・」

小説 すずめの戸締まり

なぜ失くしたと思った椅子を4歳の自分が持っていたのか、鈴芽自身も長年の疑問が解けた瞬間でした。

椅子の動きを時系列で追ってみます。

4歳の誕生日

お母さんが作ってくれた黄色い椅子誕生(4歳の鈴芽が所持)

2011年3月11日

椅子が津波で流される(4歳の鈴芽の手元から離れる)

常世に流れ着く

4歳の鈴芽と17歳の鈴芽が常世で会った日

鈴芽(17歳)が常世に流れ着いた「4歳の鈴芽が所持していた椅子」を見つける

鈴芽(17歳)が4歳の鈴芽に出会い、常世に流れ着いた「4歳の鈴芽が所持していた椅子」を手渡す
(17歳の鈴芽の手を介して、4歳の鈴芽の元に戻った)

※17歳の鈴芽が持っていた椅子は、草太が椅子に変わった時点で物体としては消滅。
草太が要石になる→封印→解放の過程を経て、完全に無くなった。

4歳~17歳の鈴芽

鈴芽は常世に迷い込んだこと、そこで17歳の自分に会ったこと、17歳の鈴芽に椅子を手渡されたことを忘れて、「この椅子はお母さんの形見」という事だけを認識して月日が流れる。

草太に出会い、ダイジンによって草太が椅子に変えられる(物体として椅子は消滅する)

4歳の鈴芽と17歳の鈴芽が常世で会った日

17歳まで育った鈴芽は常世で4歳の鈴芽に会うことになる。

…とループしていくことになります。

「4歳の鈴芽が所持して失くした椅子を、17歳の鈴芽が見つけて手渡した」
「17歳の鈴芽が持っていた椅子は消滅した」ということが映画では分かりにくいので、疑問になりやすいですよね。

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まとめ と あとがき

新海監督があえて東日本大震災を描く、重たくも力強いメッセージが込められた覚悟の一作。
東日本大震災から11年でこのテーマを扱った善し悪しは判断できる立場じゃないですが、相当の覚悟を感じます。

また「人々の生活と災害」「鈴芽と草太の関係」「鈴芽の過去」「鈴芽と環の家族関係」と、ストーリーに様々なテーマが詰まっており、かつ日本神話や神道にまつわる要素が物語のカギになっているので、1回鑑賞しただけじゃなかなか理解が追い付きませんね。

今回、筆者は小説を読んでから劇場に足を運んだのですが、決められた時間の中でスピーディーに展開せざるを得ない映画とは違い、映像では描ききれなかった行間やキャラクターの心情などが細かく説明されていて、それを自分のペースで読めるので、小説を読んでから映像を見たことで理解が早かったなと感じました。

まさに今回の「椅子の謎」についてはしっかり答えが記載されていましたし、このように小説には映画では詳しく描かれていない情報が多々あります。

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もう映画をご覧になった方、初見の感動は映像で!という方は、映画を見た後に小説を読むと知識が補完・整理されてより深く理解できると思いますし、エピローグは、端的ではありますが小説の方が映画よりもしっかり説明があるので分かりやすく、しばらく余韻に浸ってしまいました。

近日中に今度はIMAXでもう一度見て来ようと思っていますので、また何か気づいたことがあれば追記したいと思います。

<関連記事の紹介>

▼戸締まりの際に草太が唱える祝詞には、深い意味が込められていました。

▼映画の舞台となった聖地を紹介しています。

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