2022年8月6日に公開された「ONE PIECE FILM RED」のラスボスとして出てきた「トットムジカ」
謎が多い敵キャラでしたよね!果たして「トットムジカ/Tot Musica」とは何なのか。
「トットムジカ/Tot Musica」の謎を紐解くために、
- 魔王「トットムジカ」は古代兵器?正体を映画内のセリフから探る
- 「ウタウタの実」と魔王「トットムジカ」との関係は?
- 「Tot Musica」の意味
- 劇中歌「Tot Musica」の歌詞の意味
- 「トットムジカ」はあのクラシック曲から着想?
などを徹底調査しました!
魔王「トットムジカ」の正体を映画内のセリフから探る
魔王「トットムジカ」は、音楽の島「エレジア」に古くから存在する悪魔として描かれています。
今作「ONE PIECE FILM RED」では、ウタウタの実の能力者であるウタが封印を解く歌を歌い、魔王を蘇らせていました。
ロビンのセリフから探る
「トットムジカ」について、古代から伝わる天井画を読み取ったロビンが、
「古代から続く“人の想い”の集合体」
「寂しさやツラさなど心に落ちた影」
「魔王と呼ぶ時もある」
(それは古代兵器なのか?という質問に対して)「そこまでは書かれていない」
というような内容を皆に伝えています。
“人のネガティブな想い”の集合体を実体化したものなんですね。
かつては音楽が栄え、音楽が国民の生活の中心にあったと思われる「楽しい音楽の国・エレジア」
行くぞ!エレジア!#麦わら pic.twitter.com/Q1KqoxTV4R
— 紫 (@yama_mrsk) August 9, 2022
「エレジア」はイタリア語で、日本語に訳すると「エレジー(悲歌、哀歌、挽歌)」となり、楽しい歌だけではなく、悲しみや苦しみなど様々な感情を音楽に乗せて奏でることで、国民が心の浄化をしていたような日常があったのではないかと推測されます。
そこで放たれた負の感情が、何らかの形で集まり「トットムジカ」として封印されて眠っていたということだと考えられますね。
また、ロビンは同時に、魔王「トットムジカ」を倒す方法として、
・ウタウタの実の能力者が封印を解くと、仮想空間と共に現実世界にも魔王「トットムジカ」が姿を現す。
・魔王「トットムジカ」が両方の世界に姿を現すことにより、仮想空間と現実世界が魔王「トットムジカ」によって繋がる
・2つの世界から同時攻撃して魔王「トットムジカ」を倒せば、仮想空間は消える
ということも読み取っています。
このことから、過去に同じようにウタウタの実の能力者によって魔王「トットムジカ」の封印が解かれたことがあり、その当時は、2つの世界から同時攻撃して倒すことができず、魔王「トットムジカ」を楽譜に封印するに留まったと考えられますね。
ゴードンのセリフから探る
魔王「トットムジカ」は自分の封印を解いてくれるウタの歌声に気づき、ウタを導いた。
と、エレジアが壊滅してしまった経緯をゴードンが説明している回想シーン。
「音楽の島エレジアに残って歌手になる勉強をするか?」と聞くシャンクスに「一緒に海へ出る」と答え、翌日にエレジアを出港することになったウタ。
最後の夜だからとエレジアの人々と楽しく歌い、談笑しているウタの近くにあるソファーに、突如古びた楽譜が現れます。
それをウタが何気なく手に取り、楽譜に書かれている旋律を歌ったところ魔王「トットムジカ」が出現…一瞬にして国が火の海に。
このことから、
魔王「トットムジカ」自身に意志があり、封印された状態でも楽譜を操ることができる
または、
ウタの歌声に共鳴して、魔王「トットムジカ」の意志が覚醒してしまった
と考えられます。
「ウタウタの実」と魔王「トットムジカ」との関係は?
ここまでの経緯を見ると、「ウタウタの実」と魔王「トットムジカ」には強い関係性があるように思いますが、魔王「トットムジカ」が生まれた理由や、「ウタウタの実」の能力者との関係など、今作の中で明確には描かれていません。
また、ウタがいつウタウタの実を食べたのかも、明確には描かれていません。
ウタは、2歳でシャンクスに拾われ、9歳まで赤髪海賊団の船に乗っています。
ウタの歌声に惹き込まれて眠ってしまっている赤髪海賊団やルフィの描写があるので、
ウタはシャンクスに拾われる前の0~2歳の間にはウタウタの実を食べていることになります。
ここからは個人的な見解ですが、
- 古代のエレジア島は、何らかの事情で人々が嘆き悲しむ日々を送らざるを得ない状態だった
- その島に「ウタウタの実」の能力者が現れて、島の人々を仮想空間へ避難させた
- 人々の悲しみや苦しみなどの感情を怒りに変え、具現化した魔王「トットムジカ」を作り出し、現実世界にある人々が嘆き悲しむ原因を根絶した
- 「ウタウタの実」の能力者が、魔王「トットムジカ」を封印し、また呼び出すときのために封印を解く歌を楽譜に残す
- 現実世界のエレジア島に戻った人々はその出来事を天井画に記す
- 「ウタウタの実」の能力者に敬意を表し、魔王「トットムジカ」を讃え、島に音楽が栄えていった
- 「ウタウタの実」の能力者が亡くなり、時を経て転生した実をウタが食べる
という経緯があったのではないかと考えます。
そう思う根拠は、「Tot Musica」の意味や歌詞の内容にもありました。
「Tot Musica」の意味
ここからは、劇中歌「Tot Musica」について考察していきたいと思います!
劇中歌「Tot Musica」は、澤野弘之さんが楽曲提供された曲で、島に封印された魔王「トットムジカ」を呼び出す際に歌われた禁断の歌でした。
劇中歌「Tot Musica」の楽曲提供者:澤野弘之とは?
澤野弘之さんは作曲家、編曲家、作詞家として活動され、主にドラマ、アニメ、映画の劇伴を中心に手がけています。
最近だとアニメの「進撃の巨人」「キングダム」シリーズの楽曲提供をされている事で有名です。
重厚感や悲壮感のある世界を表現することには定評がある澤野弘之さんに声がかかったのも「納得」と言う感じですね!
「Tot Musica」の意味
まずは、「トットムジカ/Tot Musica」の言葉の意味から。
Musica ⇒ ラテン語、イタリア語、スペイン語などで「音楽」
Tot ⇒ ラテン語・イタリア語「たくさん」 スペイン語「全て」
となるので、
Tot Musica ⇒ 沢山の音楽 という意味かと思われますが、もう1つ別の意味の可能性もあります。
劇中歌「Tot Musica」の歌詞には、古代ゲルマン人が用いていた「ルーン文字」が登場します。
古代から中世初期にかけて中央ヨーロッパからスカンジナビアにかけて居住した民族集団。
現在のデンマーク人やスウェーデン人、ノルウェー人、アイスランド人、アングロ・サクソン人、オランダ人、ドイツ人、イングランド人、スコットランド人などの祖先となった。
ここで試しに、デンマーク語やスウェーデン語など現在の子孫となった人々が使っている言語で「Tot」を調べてみました。
ほとんどの言語は、前述した通り「たくさん」「全て」という意味になったのですが、ドイツ語だけは、
Tot ⇒ 「死・死んだ」
という意味がありました。
島の名前であるエレジアが、悲歌、哀歌、挽歌という意味になることを併せて考えると、
Tot Musica ⇒ 死の音楽
という意味もありそうだなと個人的には感じています。
ちなみに、英語だと「Tot」は「小さい子供」という意味もあるようです。
劇中歌「Tot Musica」歌詞の意味
続いては歌詞の意味を考察してみます。
歌詞に用いられている「ルーン文字」は、ひとつの文字がそれぞれ意味を持っている文字なのですが、諸説あって同じルーン文字でもどの文献を参考にするかによって意味が違い解読が困難なので、まずは日本語の歌詞から見ていきます。
ちなみに、AdoさんのTwitterによると、レコーディング時の歌詞もルーン文字で書かれていたようです。歌うの大変!
Tot MusicaはREC時に見ていた歌詞もルーン文字で書かれていました。(読みも書いてくださってました…)ルーン文字の歌詞なんて初めて見ました。
— Ado (@ado1024imokenp) August 9, 2022
頭の中のものを文字にすると
— Ado (@ado1024imokenp) August 9, 2022
ガーザ(d)ン タ(テェ)ーーーiク
ガーザ(d)ン タッ ッタッ(トッtトッ)t
ブラー(ブレェーーーー)ク
って感じですが、あんまり参考にしない方がいいです。カタカナで書いていますが、カタカナ発音よりは英語の発音に寄せていただいた方がよりいいと思います
劇中歌「Tot Musica」日本語歌詞の意味を考察
日本語歌詞の考察ですが、この内容が先述した「ウタウタの実の能力者」と「魔王トットムジカ」との関係性についての個人的見解のもとになっています。
順番に見ていきましょう。
雨打つ心 彷徨う何処
Ado「Tot Musica」
枯れ果てず湧く願いと涙
解き放つ 呪を紡ぐ言の葉
「悲しみに苛まれて術がなく彷徨う様子」「悲しみに慣れることなく救いを求めている」「”呪い”を解き放たざるを得なかった状況」が読み取れます。
死をも転がす救いの讃歌
求められたる救世主祈りの間で惑う
Ado「Tot Musica」
唯 海の凪ぐ未来を乞う
「ただ平和な未来が欲しいだけなのに、その真逆にあるような”死を招く存在”に救いを求めざるを得ない」
という、葛藤のような心境が読み取れます。
その傲岸無礼な慟哭を
惰性なき愁いには忘却を
さあ 混沌の時代には終止符を
いざ無礙にBlah blah blah!無条件 絶対 激昂ならSinging the Song
Ado「Tot Musica」
如何せん罵詈雑言でもSinging the Song
有象無象のBig Bang 慈しみ深く
怒れ 集え 謳え 破滅の譜を
傲岸無礼=いばり返って、人を見下し、へりくだる気持ちがないこと
無礙=邪魔するもののないさま
Blah blah blah=「なんとかかんとか」「なになに」など大した内容ではない場合に省略して表現するときに使う
悲しみを怒りに変えるように煽る表現や、その怒りを増幅させて皆で歌い、その怒りを讃えることで大きな力になる、混沌とした時代を終わらせよう、そんな内容に感じました。
魔王「トットムジカ」は、人々の「怒りの感情」から生まれたということなのだろうと推察できますね。
誓い立てし自由 手にして讃歌
平伏されたる救世主
逃亡の果て望む希望
忘れじの灯火を纏うその身が尽きるまで奏でよ
Ado「Tot Musica」
夢見うつつ崇めよ
全てを照らし出す光を
いざいざ無礙にBlah blah blah!
自由を手に入れ、救世主となった魔王「トットムジカ」を讃えているということでしょうか。
「救世主=ウタウタの実の能力者」とも言えそうです。
そして、仮想空間にいる民衆に呼びかけているようにも感じます。
この歌詞の内容から、先述した「ウタウタの実の能力者」と「魔王トットムジカ」との関係性についての個人的考察に辿り着きました。
- 古代のエレジア島は、何らかの事情で人々が嘆き悲しむ日々を送らざるを得ない状態だった
- その島に「ウタウタの実」の能力者が現れて、島の人々を仮想空間へ避難させる
- 人々の悲しみや苦しみなどの感情を怒りに変え、具現化した魔王「トットムジカ」を作り出し、現実世界にある人々が嘆き悲しむ原因を根絶した
- 「ウタウタの実」の能力者が、魔王「トットムジカ」を封印し、また呼び出すときのために封印を解く歌を楽譜に残す
- 現実世界のエレジア島に戻った人々はその出来事を天井画に記す
- 「ウタウタの実」の能力者に敬意を表し、魔王「トットムジカ」を讃え、島に音楽が栄えていった
- 「ウタウタの実」の能力者が亡くなり、時を経て転生した実をウタが食べる
※追記 作者:尾田栄一郎「不思議なことは全て悪魔の実のしわざ」
2023年11月5日より映画『ワンピース FILM RED』にて、作者:尾田栄一郎×谷口悟朗監督の副音声トーク 「出張版SBS」が公開されていました。
その中で尾田栄一郎氏は、悪魔の実と魔王トットムジカについて、以下のように答えています。
「悪魔の実以外にワンピース世界に不思議なものはないというルールを決めている。
FILM RED 副音声上映
裏を返せば、悪魔の実以外の現象なら大体存在してもおかしくないよう理屈が用意されている。
だからウタ世界で魔王トットムジカが出てきたけど、魔王という概念はワンピースに存在する」
この発言からすると、魔王トットムジカは悪魔の実の力ではなく、存在し得る理屈が用意されているということですね。
余計にトットムジカが誕生した背景が気になりますね。
魔王「トットムジカ」はあのクラシック曲から着想?
「魔王」「クラシック曲」と聞いたら、多くの人が思い浮かべる
シューベルト作曲の「魔王」ですね!
中学校辺りの音楽の授業で歌った「おとーうさん、おとうさん」というアレです。
子供心に衝撃的な結末だったので、強く記憶に残っています。
SNSには、今作がこのシューベルトの「魔王」をモチーフにしているのではないかという意見がいくつかありました。
今回の映画の元ネタのトットムジカってシューベルトの「魔王」なんかな?歌の「魔王」っていうのが、映画の特典の本に買いてあったし、父の子供が死ぬとこも一緒だし、トットムジカの楽譜が ウタの近くに行って誘い込んでる?っていうとこも一緒っていうか似てる。#OP_FILMRED
— 花粉症のカイロス フォロバ100 (@vTL1AbZkrKhcyw5) August 8, 2022
ONE PIECE見てきました~!
— Green,T (@GreenT_gt) August 8, 2022
※ネタバレ注意※
最後のアレが魔王なのとか今回のストーリー全体通してシューベルトの魔王の歌詞通りな気がしましたねぇ…ラストシーンとか含めて#ONEPIECEFILMRED pic.twitter.com/vjOsgS8Bek
Adoさんツイートしてるから曲名くらい大丈夫だよね??
— かんな (@trkr_kanna) August 10, 2022
Tot Musicaがシューベルトの魔王と同じト短調なの映画みててすごいな〜て思った🥹 https://t.co/rNAbgzphoB
「Tot Musicaがシューベルトの魔王と同じト短調」というのは全然気づきませんでした!すごい!
ムックが歌っている「魔王」があったので貼っておきます。いろんな意味で衝撃!
父親が具合が悪い子供をしっかりと抱きかかえ、宿に向かって馬を急いで走らせている。
熱にうなされている子供には、周りの木々や風のうねりが魔王の声のように感じられ「お父さん、魔王がいるよ」と必死に訴える。
父親は幻覚や幻聴に怯える子供に「あれは霧だよ」「あれは枯れ葉の音だよ」と励まして必死に先を急ぐ。
魔王はしきりに子供を甘い誘惑で誘い、「ジタバタしてもさらってくぞ」という声を聞いた子供は「お父さん お父さん 魔王が今坊やをつかんで連れてゆく」と訴える。
父親もさすがに恐怖を感じるが、先を急ぐことしかできない。
宿に着いた時には、子供は息を引き取ってしまっていた。
今作がこのシューベルトの「魔王」をモチーフにしているのではないかという意見を基にまとめると、以下の点が共通しています。
- 父と子供、魔王という登場人物
- 子供が「幻覚・幻聴」「仮想空間」という現実ではないものを信じている
- 父親は子供の気持ちを理解できない
- 魔王に誘われて最後に子供が死ぬ
- 「Tot Musica」と「シューベルトの魔王」は同じト短調
確かにシューベルト「魔王」と今作には共通点が多くありますね!
着想のヒントにしている可能性は高そうです。
トットムジカ歌詞や意味、魔王の正体(古代兵器?)着想はあの曲から?徹底調査!ワンピースTot Musicaの考察 まとめ
まだまだ様々な謎が残されている「ONE PIECE FILM RED」ですので、また何か情報があれば追記していきます!
個人的な見解もふんだんに盛り込まれていますので、そんな見方もあるんだなーくらいで読んでいただけるとありがたいです!
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