10/10(月·祝)0時にリリースされた藤井風さんの 新曲『grace』のMV。
インドの文化や日常の美しい風景と、自然体の藤井風さんの魅力が凝縮された今作は、バックパッカーに扮した藤井風さんが、インドで自分の中にある本当の自分(内なる神)を見つけて心を解放すると読み取れるストーリー。
MVあり・なしでこんなにも曲の印象が変わるのかと思うほど「grace」に欠かせない要素である「インド」のありのままの美しい風景。
そのロケ地を調べてみました!
衝撃のガンジス川沐浴→聖地ハリドワール「ハリ・キ・パイリー」
まずは一番衝撃だったこのシーン!
ガンジス川で沐浴!
出典:藤井風「grace」MV
藤井風さんが沐浴したこの場所は、ニューデリーから北東に約200km、ウッタラカンド州にある「聖地ハリドワール/Haridwar」にある、時計台が印象的な沐浴場「ハリ・キ・パイリー/Hari-ki-Pairi」です。
インド北部を横断するガンジス川の上流に位置するハリドワールは、沐浴場として最も有名な下流に位置する「バラナシ」よりは川の水はキレイと言われていて、流れが急なことも特徴。
シヴァ神の聖地であるハリドワールは、ニューデリーから車や急行列車で約5時間弱と比較的アクセスも良いです。
ヒンドゥー教徒は皆行きたいと思い、巡礼者が多く訪れる「ヒンドゥー教徒の聖地」と言われています。
MVに出てきた青い神様に扮した子供も、藤井風さんが手を合わせた神様もシヴァ神でしたね。
ヨガ好きの欧米人が多く訪れる「ヨガの聖地」である「リシュケシュ/Rishikesh」へ行く際、ニューデリーから出発するとハリドワールを通過することから、リシュケシュへ行く観光客の多くが立ち寄る街でもあるそうです。
(リシュケシュはハリドワールの北に位置し、1968年にビートルズが修行に訪れて多数の名曲を生み出したことでも有名な場所)
MVを見ながら検証してみると、大体この辺りから入水して撮影していると思われます。
▼上記地図の地点から見えるストリートビューの画像
出典:藤井風「grace」MV
本当に満足そうなこの表情!
ヒンドゥー教徒にとって、ガンジス川は罪や穢れを洗い落としてくれる「聖なる川」で、生活用水として使う以外にも、人が亡くなって火葬したあとの灰もガンジス川に流すことが多いそう。
「〇〇家は、川のこの場所から灰を流す」というように、地域によっては先祖代々灰を撒く場所も決まっているのだとか。
まさにお墓のようで、ヒンドゥー教徒にとってガンジス川は「生と死」が集約されています。
生まれゆく者死ぬゆく者
藤井風 まつり
すべてが同時の出来事
藤井風さんの持つ思想や死生観とリンクするガンジス川で沐浴ができたことに、大きな喜びを感じられたんだろうなと推察できます。
同時に、体調崩すのではないかと周りがヒヤヒヤしていたんじゃないかということも想像してしまいますね。
藤井風さんは大丈夫だったのかな。
「何なんw」では、自分の声に気づかずにいる主人公への「内なる神=ハイヤーセルフに」からの嘆きを表現していたと感じられますが、
今作は「あたしに会えて良かった」と内なる神と一体になれた様子が浮かび、「何なんwのアンサーソング」的な位置づけなのかなと個人的には思います。
沐浴後に歌い踊っていたピンクの場所はインテリア用品店の上
内なる神様に出会えて一体となり、解放感いっぱいに歌い踊る藤井風さん。
出典:藤井風「grace」MV
自然な笑顔の魅力に思わず見ているこちらにも笑みが浮かんで浄化されるような、魂が洗濯されるようなシーンの1つですよね。
この印象的なシーン、どこで撮ってるんやろう?と純粋に気になって調べてみたら、沐浴した場所のほど近くにある「Kangra mandir harki pori haridwar」というお店の建物の上でした。
Google mapには「インテリア用品店」と登録してありました。
出典:Googlemap
上記MVの静止画の後方2つのホテルの看板が出ていたので、あのシーンは小さい黄色い建物側の下から撮ったのだろうと思われます。
カメラマンさんが建物上に一緒に上って撮影したアングルもありましたね。
色使いや建物の形状やら「The インド!」な場所。ここをチョイスした感性がすごい!
隣のホテルテラスからのもう少し近い画像がこちら。
出典:Googlemap
そういえばチラッと、MVにもブルーシートっぽいのも写っていましたね。
こんなインドの飾らない日常の風景を切り取って、あんなに美しい映像に仕上げられるのがすごいわ。
(高所恐怖症の筆者は、高いし柵もないし狭いし「ようこんなところで踊れたな!」という感嘆の気持ちでいっぱいです)
子供達と遊ぶ遺跡→Khwaja Khizr Tomb
続いては、子供達と花いちもんめのように肩組んで戯れていたり、子供達に囲まれて里庄盆踊りを披露されているこの場所。
出典:藤井風「grace」MV
こちらは、インド首都圏ソーニーパット市ジャットワラ(Jatwara, Sonipat, India)にある「Khwaja Khizr Tomb」でした!
出典:Wikipedia
【Deep翻訳】
Jashn Hai Zindagi
インドのハリヤナ州ソーニーパット市の重要な観光スポットの一つであり、16世紀にイブラヒム・ローディー帝によって建てられた複合墓地で、聖者クワジャ・ヒズルに捧げられています。
メインの建造物は、きちんと整備された広い緑の公園の中にあり、最近、政府機関によって修復されました。近くの村の子供たちがクリケットをしたり、主建築物の周りの芝生で楽しんでいるのを見ることができます。墓は公園の中央にあるマウンドの上にあり、メインの施設に到達するためには、石でできたいくつかの大きな階段やステップを登る必要があります。
紹介サイトを翻訳して読むと、どうやら複合墓地のようですね!
本殿にはお供えなどが沢山あり、信者の方々がお祈りに来ているとのこと。
この建物は大きな公園内にあり、周囲は住宅地に囲まれていて近くの子供達が気軽に遊びに来たり、近くに地元の人が水牛を水浴びさせる池も見えるという、インド方々の生活や日常を身近に体験できる場所のようです。
そういえば、初めてインド人ボディーガードの方がInstagramで藤井風さんとのツーショットを掲載した際、場所がソーニーパットになっていましたね!きっとこのシーンを撮影していたんですね。
皆でタケノコダンス→ファリーダーバードのマーケット
最後にみんなでタコノコダンスをするこのシーン。
出典:藤井風「grace」MV
インドらしいお店が立ち並ぶ市場で、カラフルな服を着た現地の方々が大勢集まって踊っています。
みんな笑顔が可愛い!素朴なボリウッド感出てますよね!
お店の看板を頼りに調べたところ、この場所はハリヤーナー州(Haryana)ファリーダーバード(Faridabad)にあるマーケット。
住所を調べると「Scf -34, Sector 23A, Faridabad, Haryana」辺りと出てきます。
出典:Googlemap
インドの住所の仕組みが分からないのですが、ファリーダーバードはセクターで分けられているのかな?この辺りは23Aセクターとのこと。
インドの首都デリーの南に隣接し、インド経済の急速な発展・拡大とともに、デリーの衛星都市となっている。
ヤマハが拠点を置くなど、5,000を超える自動車・バイクや飛行機などの部品メーカーがファリダバードに拠点を置いている。
※衛星都市=大都市などの相対的に大きな中核都市と社会的・経済的に密接な関係を持ちながら、その中核都市の一部機能(産業、住宅など)を分担・補助し、なおかつ行政的には中核都市と別個である都市のこと。
出典:Wikipedia
首都ニューデリーから電車で30分以内に着くのは近いですね!
大きなショッピングセンターがあったり、スタジアムがあったり、ここのように地域密着型のマーケットがあったり、海外企業が拠点を置いたりするところを見ると、住みやすそうな町ですね!
屋上のシーンはオールドデリー?
今作では、ドローンによる空撮も多用されていて印象的でしたね。
四角が密集した形状やフラットな屋根を見ると、インドって感じがします。
出典:藤井風「grace」MV
出典:藤井風「grace」MV
これらの映像がどこで撮られたものかは筆者自身は確定できなかったのですが、現地の方から「オールドデリーではないか?」という情報がありました。
▼オールドデリーの街並み
出典:トラベル.jp
出典:culture trip
インドの首都デリーは、オールドデリーとニューデリーの2つの地区に分けられます。
イギリスにより行政都市として建設された地区はニューデリー、古くからある町はオールドデリーと呼ばれています。
レッドフォートの正面からの直線通り、チャンドニーチョークの周辺一帯は、オールドデリーで一番の繁華街。この風景を見なければインドに来たとは言えないでしょう。
ここほどインドを体感できる場所は他にはありません!
出典:トラベル.jp
「Theインド」な街並みといえば、オールドデリーということなんですね!
また詳しいことが分かれば追記します!
藤井風「grace」MVのロケ地を調査!インド文化や日常の風景が美しい! あとがき
ネットがあれば異国のロケ地もある程度特定できること、本当にすごい時代になったもんですね!
夫が仕事が暇な時にストリートビューで海外旅行していると言っていましたが…かなり楽しい!
現地の様子を垣間見れて旅行気分を味わえたので、皆さんにも藤井風さんの魂の故郷であるインドの様子が伝われば良いなと思います。
こういう形でインドの美しさや文化を知るのも、良いものですね!
そして、自分の信仰を全面に押し出してきた今作MVについて、色々な意見が出ているようですので、思っていることを書いてみます。
アルバム2作のタイトルや、祈りや瞑想を生活に取り入れ、ベジタリアンである藤井風さんを見て、信仰の深い方だということは周知の事実でしたが、特に明言はしていませんでしたよね。
そんな中で、今作では自分の根底にある「心の故郷であるインド」の文化や日常の風景が、藤井風さんを「解放」して魅力を最大限に引き出し、とても美しい映像に仕上がっています。
「内なる神=高次元の自分」「神=愛」と語り、
「人間1人ひとりに神が宿っていて、自分の存在自体が尊いもの。余計な執着を捨てて自分を愛して」というメッセージを発信し続けている藤井風さん。
今作のMVロケ地にインドを選んだことも含めて、満を持して舵を切り、自分の信仰のルーツを発信した「やっと自由になれた」という安堵感と共に、しっかりと彼に根付いている一貫性のある思想や覚悟も感じました。
▼筆者がMV公開直後に興奮の中に投稿した感想
ずっとシヴァ神に見守られ、手を合せる事で自分の中にいた本当の自分に会えた。あのシーンは美しい。
— sai@知りタイムズ🍃藤井風情報&記事更新お知らせ用 (@sai03050622) October 9, 2022
シヴァ神は破壊と創造の神。
何かを始める前には何かを手放し、時には壊す必要も。
解き放たれて世界へ進む覚悟の表れでもあるのかな#藤井風 #grace
時に里庄踊りも垣間見えて無限に観てられるわ
「宗教」と聞くと身構えてしまう方も多いと思います。(筆者も悪い思い出があり、いまだに抵抗があります。しかも厄介なことに、一度感じた悪印象はなかなか取れないんですよね…経験則であると同時に、これも1つの執着なのかもしれません)
ただ、藤井風さんが伝えようとしているのは、全ての宗教が元は同じものだったように、古代から伝わる理想的な「人間としての本質的な在り方」なのだと感じます。
もし、抵抗を感じている方がいるのであれば、その考えが少しは助けにならないかなと。
無理して理解するものではないし、推しの思想だからと全て受け入れる必要もないのですが、宗教色が強いからと拒絶するのは勿体ないかなと。
(そう感じるのも自由な受け止め方の1つなんですけどね)
曲やアレンジ・映像共に、信仰は全面に出てるけど、ナチュラルで爽やかに仕上げたバランス感もすごいと思った。
— sai@知りタイムズ🍃藤井風情報&記事更新お知らせ用 (@sai03050622) October 9, 2022
個人的に神格化や宗教感出し過ぎは国内では足枷になるかもと感じている中で、周囲に #grace MVを名刺代わりにオススメして「これが #藤井風 」と説明できる等身大な作品だと思った。
宗教という括りで敬遠されることなく、また神格化され過ぎることもなく、
「みんな平等に美しくて尊くて輝いている存在なんだよ」と「楽しく自由に生きられる人生」へ導いてくれる藤井風さんの存在と音楽が、良い形で世界に広まっていくと良いなと。
そしてたまに出てくるcrazyな一面に振り落とされる人が1人でも少ないことを、1ファンとして願っています。振り幅すごすぎるからね!
<magazine>
オススメの一冊の紹介。
「藤井風 完全読本」だけあって、これまでの生い立ちや1st、2ndアルバムの内容など、本人から引き出された言葉で深く理解できるマストな一冊。
別名「人を魅了する天才の育て方 ~藤井風の場合~」
ヘタしたらめっちゃウザがられそうなくらいw 真っ直ぐな愛に溢れたオトンの存在ですが、子育て中の親としてとても興味深かったです。
雑誌は売り切れ。電子版はAmazonなどで購入可能!
筆者は雑誌を購入しましたが、文字がえらい小さくてボリュームもすごいので、電子版で拡大しながら読むのもありだなと思いました!
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